私が勤めていた会社は、今はもう潰れてしまいましたが、外資系の英会話学校でした。そこで20代後半から30代前半にかけて働いていたときに、経験した話です。
Tさん（48歳・女性）の体験談
女性4人の職場で、密かに生まれた壁
私が勤めていた外資系の英会話学校は、私を含めて女子4人だけの職場でした。3人常勤で交代に休みをとり、遅番・早番がありました。基本的に教室の運営は私達に任されており、上階にセールス部門の上司と社員が数名いましたが、新規の生徒を連れてくる時以外は接点がまったくありません。業務連絡は東京本社と取り合っていました。直属の上司のエリアマネージャーは海外の方で、月に何度か教室を覗きにくる程度の自由な職場でした。
お話はその同僚のうちの一人（以下A）です。私より少し後に入ってきましたが、年齢は二歳年上でした。黒髪ストレートで細身の美人で、物静かでインテリな感じでした。海外が好きで、映画が好きで、話も合いましたし、仕事帰りに一緒に飲みに行ったり、映画の試写会に行ったりしていました。
当時、職場には私、Aの他に、私と同じ年でAと同時期に入社してきたBと、先輩のCがいました。実は私とAは、Bの事が嫌いでした。Bはそこそこ良い女子大卒の田舎から出てきた女子で、言葉は悪いですが、ちょっとダサい感じで、英会話学校で働く殆どの同僚が海外好きで、映画や音楽が好きなタイプでしたが、彼女だけはちょっと違った感じで、話が合いませんでした。それだけでなく、彼女は何というか、凄く自分に自信があって、自分の自慢ばかり話す人でした。で、その割には、英語が一番ヘタでした。・・・とAと話していて、私もそう、思っていました。
苦手な相手から知らされた、意外な事実
Aはとてもしっかり者で仕事ができましたし、英語も流暢でしたから、上司に気に入られていました。上司とAと私、三人で仕事帰りに飲みに行った事があり、その時に、上司が「職場の事を色々教えて欲しいの。スタッフの英語力はどう？誰かトレー二ングの必要な人はいる？」と聞かれ、私とAは顔を見合わせ、Bがトレーニングが必要ではないか・・・と上司に伝えました。
その翌週、Bは突然、他のブランチに一週間研修に行く事になりました。トレーニングという名目ではなく、あくまでヘルプです。でも、そのブランチは遠かったので、Bは文句を言っていました。一週間して帰ってきた時、彼女は「あっちのブランチの人が、私が英語力が足りないから本当は研修目的で来てもらったって言ってたけど、本当？だとしたら、誰かが上司にそう言ったの？」と言われ、ひやひやしました。「いや、知らない。」と言い張りましたが、その日の夕方、Aが早番で帰った後、
「Aってさ、上司に取り入る為に同僚の悪い事一杯吹き込んでるみたいよ。知ってる？彼女、今度、昇進して、一人だけ給料上がるんだよ。この前、上司と私とAで食事言った時、あなたの事悪く言ってたよ。」と！
Bの提案とその後
自分も同じような事をしてたので何とも言えなくて、私は「えー、そうなの？」と言うに留めましたが、その後、Aがとても怖くなりましたし、全く信じられなくなりました。嫌いだったBにそんな事を告白されたのも何とも複雑でした。
「ね？私と組まない？で、Aに対抗しない？」と言われましたが、私は曖昧に断り、しばらくして寿退社しました。
その後、Bとは会っていません。Aとは会いましたが、結局、Aが本当に私も裏切っていたのかは分からずじまい。ただ、彼女がみんなを蹴落とし、昇進して、一人だけ給料アップしてたのは事実だったようです。怖いなぁ・・・と思う反面、それ位でないと社会では生きていけないのかな・・・とも思いました。
管理人と仲間達から一言
