仕事丸投げ上司

「お客さんからの修正メール転送します。」

またか…もっと自分の考えとかないの?もういい加減、上司の丸投げにはうんざり…。そんな方、少なくないのではないでしょうか?真面目に上司の言うことを聞いていたら、だんだん要求が雑になり、いつの間にか丸投げが常習的に。なんてことはよくある話です。
 
 
今回はそんな「上司に仕事を丸投げされて困っている方」に向けた攻略法を伝授する記事です。

僕が小さいチームを率いるリーダーになれたのは、この丸投げ対策を実践した影響が大きいと思っています。実際に上手くいった方法ですし、あなた自身のスキルアップに必ず繋がりますよ。

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そもそも丸投げとは?

ショウ
丸投げって何なんだろう…。
サキ
いや、上司の怠慢でしょ。
ショウ
冒頭の通り来たメールを無言で転送するだけ…なんてことは日常茶飯事。
タカギ先輩
それは確かに怠慢かもね。
 
 
仕事の丸投げとは、上司が受けた業務を、特に手を加えることなく、部下にそのまま受け渡す行為のことです。主な特徴としては、

  • 上司の考えがまったく入っていない
  • とにかく言葉が足りない(説明がない)
  • 責任の所在がわからない
  • 部下から挙がったものには文句を言う

などが挙げられます。
 
 
いわゆる「上司として部下に仕事を任せる」のではなく、「考えるの面倒だからやっといて」状態を指します。

そのくせ形になったものを見て、あーだこーだと意見を言います。「先に言ってくれよ…」と思ったのは、一度や二度ではないはず。

サキ
あるある。
ショウ
怒りと悲しみが蘇る…。

仕事を丸投げされてしまう原因

ではなぜ丸投げが起こってしまうのでしょう。

それは、「あなたに押し付けやすいから」です。

おいおいそんな単純な…と思われるかもしれませんが、結局のところ原因の本質がここに隠されています。

仕事ができない人は考える前に手が動く

感情を抜きにしてお答えください。あなたの丸投げ上司は、仕事ができる人ですか?
おそらく多くの人が、「できるところもあるけど…どちらかというと、う〜ん」と答えるのではないでしょうか。
 
 
仕事ができる人は、手を動かす前の〝前段〟を大事にします。

例えばできる人は、プレゼン資料を作成する時、すぐにパワーポイントを開くのではなく、どういう構成にするか先に考えた上でパソコンに向かいます。そうすることで、中身も効率も格段に良くなるからです。

またできる人は、定例会議になんとなく出て、なんとなく発言するのではなく、事前に資料を読み込んで質問の内容を考えたり自分の考えをまとめたりします。それだけで主体性が増し、無駄な会議が有意義なものに変わるからです。
 
 
こう言った〝前段〟は、仕事のランクを上げる上で欠かせません。

丸投げ上司は、「先に考えること」ができないため、来た仕事をろくに確認もせず部下に任せてしまいます。そして、形になったものを見て、やっと「考えること」を始め、あれこれ意見を言うのです。

ショウ
そう言われると、自分もすぐに手を動かす部分もあるかも。
タカギ先輩
人の振り見て我が振り直せってことだね。
 
 
ただこれは、とにかく作って売る「生産性を追求してきた時代」の名残でもあります。言ってしまえば、今の正しいやり方を知らずに仕事のやり方が固まった、とも言えるのです。
 
 
投げる側の思考が理解できたところで、今度は投げられる側の話に移りましょう。

任せやすいあなた

残念ながらそんな相手でも上司は上司。あなたより立場は上です。

そして、任されたものを真面目にこなすのが部下。弱い立場である以上、逆らうことは難しい。理不尽だと思いつつも応えるしかない…と諦めているのではないでしょうか。

理不尽だとわかっていても反論する力もないし、社内の人間関係もあるし、黙ってやった方がいろいろ都合がいい…と考えてしまっているのではないでしょうか。

そんな考えや態度が相手の無知をさらに加速させ、抜け出すことのできない状態を作り出すわけです。
 
 
丸投げとはつまり、権利や立場が、上司の「そのまま任せた方が楽」部下の「反論するよりやった方が楽」という図式を作り出してしまうことなのです。

丸投げされることは「悪」なのか?

何だかトゲのある言い方だけど、じゃあ任される方が悪いってこと?と思われたかもしれません。

もちろんそんなことはありません。確かに健全とは言えない状態ですが、それはあなたの問題ではなく、正しいことを正しいと言えない環境に大きな問題があるのです。

ただそこで、社風やマネジメント層のせいにしたり、上司に変われと願ったところで、解決には至らないでしょう。

他人を変えることはできません。自分にできるのは、変えるきっかけを作ることぐらいなのです。もちろんこのサイトも同じです。あなたの人間関係を解決したいと願っていますが、行動するのはあなた自身。このサイトでできることはきっかけづくりでしかないのです。
 
 
丸投げはツラいですが、決して悪いことだけではありません。実は丸投げ状態のあなただけが得られる、大きなメリットがあります。

丸投げをスキルに変換するコツ

ここで一旦冒頭に戻って欲しいのですが、丸投げとは「上司が受けた業務を、特に手を加えることなく、部下にそのまま受け渡す行為」と書きました。

つまり考え方を変えると、上司が得られる成長機会をあなたが受け取っているとも捉えることができます。

これも先に書きましたが、仕事ができる人は手を動かす前の〝前段〟を大事にします。まるっと受け取った前段をこなし、まずは自分のスキルにしてみるのはいかがでしょうか。

では、自分のスキルにする際の4つのコツをお伝えします。

コツ1:成りたいビジョンを描く

ただがむしゃらに目の前の仕事量を増やすのは、身体にも心にもよくありません。簡単で良いので、まずは目指すべき姿を描きましょう。そうすることで行動に意味が出て、前進を実感でき、その感覚が心を軽くしてくれます。

難しく考える必要はありません。今より給料を多くもらいたいなど、ざっくりで大丈夫です。

今より給料を多くもらうためには、ビジネススキルマネジメントスキルが必須。仕事の質を上げる人材、人を管理できる人材は、市場価値がぐんと高くなります。

上司がやるべきだった仕事には、そう言ったスキルアップの機会がたんまり含まれているのです。代わりに仕事をこなし、自分の力を上げていきましょう。

コツ2:プランを練る

繰り返しになりますが、仕事は〝前段〟が大事です。受けた仕事をしっかり読み込み、プランを練る必要があります。

案件の依頼が来たと仮定して、具体的な方法を見ていきましょう。

  1. 依頼内容を読み込む
  2. 案件の目的を見極める
  3. 案件の方向性を決める(方針、あり方、魅せ方など)
  4. 細分化して仕事量の把握をする
  5. 適切なメンバーを選定する(自分一人の場合はスキップ)
  6. 全体のスケジューリングをする
  7. 上司に方向性や詳細の合意を取る(不明点は質問)
  8. メンバーとミーティングを行う(自分一人の場合はスキップ)
  9. 手を動かす

ざっと見てこれだけあります。裏を返せば、上司がこれら全てをサボっていることになりますが、今回その怒りは収めましょう。

このプランこそが、ビジョンに近づくために欠かせないスキルなのです。

コツ3:周りを巻き込む

丸投げされた仕事は一人でやっている、と言う方が大半だと思います。それゆえに一人で不満を抱え込み、上司の問題は表面化せず、同じことが繰り返されます。

プランをしっかり練ると作業量が明確になるので、時間が足りないことに気づき始めます。そして、もっとこうしたいとか、もっとこうすべきでは、と言う感情が増してくるのです。

時間が足りなければ手伝ってもらえる協力者を探し、わからないことがあれば詳しい人に尋ねる。そうやって周りを巻き込むことが、丸投げ解決に向けた大切な種まきになります。必ず意識しましょう。

コツ4:本気でやる

最後のコツはストレートに、本気でやる!ということです。少し精神的な話になりますが、実は最も重要な部分になります。

今までは理不尽さが先に立ち、イマイチ身が入らなかったところがあったことでしょう。しかしこのように目的意識を持って取り組めば、気持ちが少しずつ入ってくるはずです。

やるなら本気でやる。

そうすれば学びは数倍にもなり、知識量や経験値は以前と比べ物にならないはずです。自分に足りないものが見え、周りと協力する機会が増え、今までと違った世界が見えてきます。そして認めてくれる人が、じわじわ出てきます。

本気でやって本気でやって、それでも認められない場合は、会社にまともな人がいない可能性大です。周りの同僚や上司を見極める必要があります。それでもあなた自身のスキルは確実に上がり、市場に必要とされる人材へと近づいているはずです。
 
 
さて、これら全てのコツを守れば、ついに最後の丸投げ攻略へとステップを進めることができます。

丸投げを完全に攻略する方法

丸投げの悩み解決のゴールとは何でしょうか? 丸投げがこの世からなくなることでしょうか? そのために勇気を出してNo!と言うことでしょうか?いいえ、違います。

本当のゴールは、丸投げそのものを解決できる力を持つことです。
 
 
人に「楽がしたい」という感情がある限り丸投げはなくなりません。そもそも仕事とは、価値を提供してその対価をもらう行為です。イヤな上司相手だから不満に思っているかもしれませんが、もしそれが顧客相手だったらどうでしょう。

人手不足・時間不足に悩んでいる顧客に、時間と思考が提供できるのは、それだけで価値になります。ここまでついて来られたあなたには、そのスキルが必ず手に入ります。
 
 
そして、ここでもう一つ、上司との人間関係という大事な悩みが解決に向かいます。

正しいスキルを身につけ、周りを巻き込み続けたあなたには、課題解決力正しい評価、そして仲間が残ります。仲間がいて次に起こるのは、残念な上司の表面化です。まともな会社であれば、困っているあなたを守る側に周ります。
 
 
ぜひ丸投げをスキルに変換してみてください。効果は想像以上なはずです。

似ているけど違う、任せ上手な上司

ちなみに、これらを理解した上で、仕事を任せてくれる上司も存在します。

丸投げ上司との相違点は以下です。

  • 最初に意図をしっかり伝えてくれる
  • ポイントポイントでチェックしてくれる
  • フィードバックをくれる

など、部下を成長させようとする姿勢が違います。あなた自身がそちらの上司になれるよう、心がけましょう。

まとめ

  • 丸投げは「仕事ができない人」と「任せやすい人」の間で起こる
  • 仕事の〝前段〟を大切にする
  • 丸投げをスキルに変換する
  • 変換のコツ1:成りたいビジョンを描く
  • 変換のコツ2:プランを練る
  • 変換のコツ3:周りを巻き込む
  • 変換のコツ4:本気でやる
  • 「丸投げを解決する力」そのものが市場価値
  • 良い上司になろう
「丸投げ」と「上司との人間関係」、ややこしいですがここを混ぜないことが大事です。まずは目の前にある仕事に向き合うこと。それこそが、人間関係解決の糸口へとつながるのです。

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