
出口の見えない苦しみ。
仕事をしていて、人と接しない日はほとんどありません。人が集まると、それだけトラブルも多くなります。1つや2つ、誰かとの間に問題を抱えている方が普通かもしれません。
しかしそんな職場の人間関係トラブルの中には、あなたの人生を台無しにする「最悪な問題」が潜んでいることがあります。
今回はそんな、最悪な職場の人間関係で具体的に失うものと、その解決策をお伝えします。
目次
あなたの職場のトラブルチェック
あなたの職場にも、こんな人間関係トラブルはありませんか?
- 性格が合わない同僚がいる
- 上司が雑用ばかり押し付けてくる
- 実力がないのに、口が達者な年配者が居座っている
- お局様が社内ルールの中心になっている
- 部下が全然言うことを聞かない
- 話したくないのに、異性の先輩がプライベートのことばかり聞いてくる
- 社内恋愛に失敗して、まともに相手の顔を見れなくなった
- 隣の席のタイピングの音がうるさい
- 元上司が部下になってしまった
- 会社の飲み会にどうしても参加したくない
ありふれた人間関係トラブル。自分ではたいしたことないと感じていても、実は大問題だった、ということがあります。では、どういった問題が人生を台無しにするほどの「最悪な問題」なのでしょうか。それを知るためには、職場の人間関係の“あるべき姿”を理解する必要があります。
職場の人間関係の“あるべき姿”と“最悪な姿”とは
そもそも職場とは、どういう場所でしょう? そう、もちろん仕事をする場所です。
ここで1つ質問です。例えば、以下のような場合、あなたはどう対処しますか?
優しいあなたには、それを無下にできるでしょうか?
今後の職場の空気を考えて、結果、30分雑談に費やしたとします。あなたの対応にAさんは気を良くし、毎日話しかけてくるように。さて、Aさんの関係値と引き換えに、あなたにどんな悪影響があるでしょう。
- 仕事の納期が遅れる、または質が下がる
- それによって上司から仕事の評価が下がる
- Aさんの同類扱いをされ、周りからの信頼度が下がる
「雑談が悪」という話ではありません。仕事に悪影響を与える人間関係が良くないということです。
多少の雑談はむしろ、仕事を円滑に回すために必要なコミュニケーションですが、それが行き過ぎてしまうと途端に迷惑行為へと変貌してしまう。その境目こそが「最悪な問題」の境目になります。
職場の人間関係の“あるべき姿”とは、「仕事」を中心に形成されるべき関係、つまり「最も仕事を円滑に行える状態」が保たれている関係のことなのです。
逆に職場の人間関係の“最悪な姿”は、「仕事を疎かにする」関係と言えます。
最悪の人間関係であなたが失う5つのこと
あなたが最悪の人間関係を抱えていると、とても大きな損害を被ります。先ほどのAさんの例はほんの一部でしかありません。
人間関係のせいで失うものは、大きく5つに分類されます。それでは、それぞれ具体的に見ていきましょう。
1.本当にやりたい仕事や夢を失う
あなたがその会社に入社した時、何か希望や「夢」があったはず。今、それが叶えられる環境にいるでしょうか。本当にやりたい「仕事」ができているでしょうか。
最悪な人間関係は、単純に仕事が妨害されます。
例えば、やる気のない同僚に囲まれたり、能力が不足している上司の部下になってしまったら、「仕事」に対して真剣になれない状態が日常化します。仕事に真剣になれないということは、プロフェッショナルになれないということを意味します。
このように、気持ちが憂鬱になり、仕事にポジティブに向き合えない状態は、あなたの成長は著しく低下させます。ほんの少しのきっかけで、夢が遠く離れてしまうのです。
2.稼ぐはずだったお金を失う
仕事ができない、成長が鈍化するということは、その分あなたの出世・昇給が遅れます。当たり前ですが、その稼ぐはずだった給料の差額も、成長スピードの低下に応じて広がります。
そもそも人間関係が最悪の会社は、全体の売上も下がるので、潰れるケースだって珍しくありません。
もし逆に、プロフェッショナルな仕事ができる現場で育てば、世の中への価値提供の方法が身につくので、将来的に独立することも難しくありません。今のままではその道も断たれます。
「お金」の視点で見ても、失うものは計り知れません。
3.起きている半分近い時間を失う
さて、次は「時間」です。
会社にいる時間は少なくとも8〜9時間以上。通勤の時間を入れると更にプラス30分〜1時間前後で、合計9〜10時間。企業の年間休日の平均は120日なので、245日の出勤日があると考えると、年間で約2450時間を仕事に費やしています。
ちなみに人が自由に動ける時間は、睡眠時間やご飯を食べている時間を抜きで考えると、1日約16時間です。年間にすると約5840時間。
つまり、人が稼働している5840時間の内2450時間が仕事ということになるので、約42%を仕事が占めることになります。職場の人間関係が最悪だと、これだけ莫大な時間をムダにし続けるのです。あなたが20代、30代なら尚更濃い時間浪費しています。
4.プライベートの心安らぐ瞬間を失う
膨大な時間をムダにすると説明しましたが、実は影響があるのは職場にいる時間だけではありません。
楽しいはずの休日に、ふと会社のことを思い出して嫌な気持ちになることはありませんか。有名な例としてサザエさん症候群というものがありますが(日曜の夕方、次の日の仕事が近づいてきて憂鬱になること)、本来安らぐはずの時間も辛くなってしまうのです。
5.心と体、健康な状態を失う
当然ですが、最悪な人間関係の中にいるとストレスが溜まります。ストレスにさらされ続けると心が憂鬱になり、前向きな気持ちはどんどん奪われます。
そしてある程度の範囲を越えると身体の至る所に拒否反応として出てきます。例えば、元々持っていたアレルギー反応がより強くなったりする、などです。
他にも「目」。目に違和感や痛みの症状が現れる人が多くいます。人によっては「肌荒れ」「髪の張りがなくなる、髪が抜ける」「蕁麻疹」「全身のだるさ」「胃の痛み」「口周りが荒れる」など、身体は様々な形で危険信号を発します。
危険信号は無視するとさらに深刻になり、それを無視するとさらに…そんなループに陥いる危険があります。
このように、最悪な人間関係はあなたの「お金」「時間」「健康」を失います。職場の人間関係は人生を台無しにする力を持っているのです。
受け身をやめよう! 職場の人間関係の改善と考え方
今のままでは、人生の大切な時期を失うことは理解いただけましたでしょうか?
確かに、自分では解決しきれない問題もたくさんあります。だからといって、全てに身を任せるには、失うものが大き過ぎます。
まずは自覚を持つことが第一。そして、自分自身を見直していきましょう。
仕事がスムーズに行えるよう、挨拶や業務連絡をしっかり行えているか。最低限、人としての配慮を忘れていないか。例えば口の悪い相手がいたとして、あなたも同じレベルで対抗していないか。トラブルが起こった時、相手がどんなに悪かったとしても、他人のせいにした瞬間から状況は悪くなります。
いくら期待しても、他人を変えることはできません。まずは自分を変えることが先決。それが職場を改善する一番の手です。
そうやって正しいことを続け、少しずつ味方を作ることで、働きやすい環境を目指しましょう。
このあたりの具体的な手順は以下の記事にまとめています。
>>非力でも今の職場を「働きやすい職場」にする3ステップ|人間関係に悩むあなたへ
みんな頑張っている、でも頑張りが無駄になっている
ツライ職場の中で我慢し続け、それが自信や実績に変わったのであれば良いのですが、後悔ばかりが残っているということであれば、それは努力の方向が違ったということです。
我慢してどうでもいい相手に労力を注いだり、誰かの言いなりを続けていたりしていないでしょうか。今一度、自分がしている努力に目を向けてほしいです。その努力は、今後のあなたのためになりますか?本当に「仕事」を中心に考えていますか?
自分ができることはすべてした!周りに相談してもまったく響かない!そもそも改善の余地がまったくない!ということであれば、その会社を見切ることも視野に入れるべきでしょう。軽い気持ちの退職や転職は推奨しませんが、執着し過ぎたがゆえに人生を台無しにしてはいけません。
まとめ
- 職場の抱えている問題にもう一度目を向ける
- 仕事が円滑に行えるような人間関係が保たれているか再確認する
- 人間関係が最悪な職場は、人生を台無しにする危険性を秘めている
- 受け身をやめる、行動は自分から
- 間違った努力をしていないか、自分を見つめ直す
せっかくの縁でこの記事を読んでくださったあなたが、良い方向に進むことを心から願います。