理詰め上司。それは理論で部下を教育・支配する上司のことを指します。例えばこんな経験はありませんか?
- 一方的に言葉でまくし立てられる
- 正しいことを言っているが言い方がきつい
- 見下すような注意の仕方をしてくる
- こちらの体調や言い分を考慮してくれない
- 言い返したいけど反論の余地を与えてくれない
このように理屈で責め立てられ、精神的に参ってしまってはいないでしょうか。
今回はそんなツライ経験をした、あなたのための記事です。理詰め上司の対処法をまとめました。
なぜ理詰め上司が生まれるのか
そもそもなぜ「理詰め上司」なるものが生まれるのでしょうか。まずはその理由から探っていきましょう。
突然ですが、自分が何かすごい特技を持っていたとしたら、それを最大限利用したいと思いますか?絵を描く力があったなら、好きな絵を描いて世の中に発信したり、長期間ダイエットをしたのなら、誰かにスタイルを見せつけたり。
おそらくほとんどの人が「YES」だと思います。
実は、理詰め上司が生まれる理由もここにあります。
知識は腕力と同じ「力」
理詰めとは理論を振りかざすこと。つまり「知力」を最大限に発揮することです。おそらくあなたの周りの理詰め上司も、とても頭が良いはずです。
目には見えないですが、知力も、腕力や権力とまったく同じ「力」の1つ。その人が長い年月努力して手に入れた「力」なのです。
頑張って手に入れたものは、使いたくなるのが人というもの。しかし「力」は使い方を誤ると、相手を傷つける刃にもなってしまいます。
腕力のことなら、あなたも小さい頃から教育を受けてきて、身体に染み付いていると思います。「人を叩いちゃダメだよ」と。
しかし、知力に関しては少し複雑です。
「知識をひけらかしちゃダメ」と言われたことがあるかもしれませんが、そのボーダーラインは曖昧です。言っている本人は、悪いなんて微塵も思っていません。
「こちらは正しいことを言っている」
「勉強しないお前が悪い」
理詰め上司は、必ずこんな風に考えます。
知らず知らずのうちに、言葉の暴力で相手を追い詰めてしまう…こうやって理詰め上司は生まれるのです。
正論だけでは上司とは言えない
あなたの周りにいる理詰め上司は、いつも正論を言うことでしょう。だからこそあなたも深く落ち込んでしまう。「ああ確かにそうだ…自分が悪いのかも」と。
しかし、正しいことだけ言えば済むなら、マニュアルを渡して厳格な社内ルールにしてしまえば済みます。
上司と部下、つまり人と人の関わりの中には、必ず「感情」があって、コミュニケーションが成り立ちます。
例えば最近部下の残業が続いているので、体調を考慮して早く帰らせたり、例えばミスをした時に、相手の反省度合いを見ながら叱り方を調整したり。
そこに「感情」を乗せることで、血の通った交流が生まれます。そうやって上司に人間味や信頼を感じるのです。
「この人に付いていきたい」と思わせることも、上司の仕事です。「感情」を無くし、疲れきって萎縮している相手にマニュアル通りの説教をするような上司に、ついて行きたいと思う方が少数だと思います。
正しさだけで人は動きません。
と、これでは上司の在り方講義ですね。実際にどう対処すれば良いのかの話に入りましょう。
理詰め上司の具体的な対処法
何度も言いますが、理詰め上司には「感情」のコントロール能力が欠けています。
だからといって、相手を変えようとするのは困難です。人の性格は簡単には変えられません。ではどうしたら良いか。
理詰め上司の具体的な対処法は、大まかに分けると以下の3つになります。
- 自分を変える
- 上司を変える
- 会社を変える
ではさらに詳しく説明していきます。
自分を変える
この選択肢は、今の上司を参考にしたい・ついていきたいという人、今の仕事を続けたいという人のための選択肢です。
多少不器用な上司ですが先ほど記述した通り、こういうタイプは「能力が高い」というケースは少なくありません。また、上司はイヤだけど「今の仕事を続けたい」というケースも多いでしょう。その場合、あなたの考え方を変えるしかありません。
まず今の上司を参考にしたい・ついていきたいという人の場合ですが、それには何より、相手を知ることが大切です。相手の言動の真意を汲み取り、仕事に落とし込む。このサイクルを継続できれば、自ずと思考を共有できます。また、上司から気に入られる可能性は高くなります。
理詰め上司が何より部下に求めることは、自分の知識量を目指してくれること。勉強してる、話すレベルが合う、そう認識されれば通じ合える瞬間があります。
そして相手の能力を超えた時、精神的にも大きく解放されるはずです。
ちなみに、今の仕事を続けたいという理由の方は、受け流す技術を身に付けることで、上手く付き合える可能性があります。しかし、こればかりは性格によるので、誰でもうまくいくわけではありません。
また、自分が持つ仕事の目的を明確にし、そこに向かうことが大切です。何ごともロジカル(論理的)に考えるようになれれば、理詰め上司と良い距離感を作ることができます。ロジカル思考になるためには、クリティカルシンキングを学ぶことをおすすめします。
上司を変えてもらう
考え方が合わない人、いくら歩み寄っても噛み合わない人、何をやっても苦手な人、そんな人は必ずいます。
そしてそれが上司だった場合、仕事に支障が出すぎます。仕事が正しくできないなら、会社にいる意味すらなくなります。
成長著しいあなたの大切な時間を、そんな上司によって潰されるのは本当に無駄なことです。
おそらく真面目なあなたは、「上司を変える提案なんてすると、会社に居づらくなる」と考えるでしょう。そう思う気持ちも重々承知しています。
それでも、一時期の気まずさより、失うものの方が大き過ぎることを理解していただきたいのです。
苦手な相手は、どんなに頭で理解しても身体が拒否を始めます。症状が重くなる前に、周りに相談するところから始めてください。
上司のさらに上司、もしくは別の上司にも必ずパイプを作ってください。自分一人での力では、絶対に成せない解決法です。
立ち上がる力がある内に、動きましょう。
会社を変える
可能ならばこの段階に至ってほしくないですが、他で解決できない場合、避けては通れない選択肢です。
身体が会社を拒否している、社内で誰も助けてくれない、社内で立ち上がる力がない…そうなってしまったら、速やかに仕事を辞める準備をすべきでしょう。
問題は、その上司の先に明るい未来が待っているかどうかです。
自分の考えていない範囲の言葉で責め立てられると、人は萎縮をします。正常に自分で考えられなくなっている可能性があるので、少し冷静になり、本来の自分の目的を思い出してみてください。
そして、まずは自分の身体を最優先にしてください。どんな目標も健康な身体があってのことです。
理詰め上司の部下になってしまったら
この記事を読んでいる時点で、おそらくあなたは相当上司に悩まされているはずです。
人によっては、身体に悪い反応が出ている人もいるかもしれません。蕁麻疹の人もいれば、朝起きられなくなった人、歯ぎしりで顎が痛くなった人…。そういった方々を前提に記事にさせてもらいました。
だからこそ本当に言いたいのは、十分戦ったあなただからこそ、今のまま我慢してほしくありません。
我慢し続けた先に、本当に良い仕事が待っているでしょうか。自分のなりたい未来はあるでしょうか。今一度考え直してみてください。
まとめ
- 理詰め上司は部下への配慮不足から生まれる
- 上司と部下のコミュニケーションには「感情」が必要
- 正論だけで人は動かない
- 自分を責めない
- 理詰め上司対策は「現状を受け入れる」か「問題の根本改善」か「環境そのものを変える」の3つだけ
- 今の上司の先に、正しい仕事ややりたい仕事があるか考える