もっと普通に仕事がしたい…。
苦手な上司、どうしても合わない上司、尊敬できない上司…いますよね。本当はなるべく接したくないけど、仕事をする上でそうも言っていられない。「本当は普通に仕事がしたい…」今回はそんなあなたに向けた記事です。
僕自身、過去幾度となく合わない上司に当たってきました。たくさんツライ思いを重ねましたが、今ではそういう上司たちと横並びの、部署のリーダーであり上司をやらせていただいています。
これまで上司や部下と真剣に向き合ってきたからこそ語れる、「合わない上司」の普遍的な接し方、そしてさらに「合わない上司」から解放される方法をお伝えします。
- 合わない上司の実態がわかる
- 合わない上司との付き合い方がわかる
- 合わないでは済まない、危険な上司の見極め方がわかる
- 危険な上司の部下になってしまったときどうすれば良いかわかる
- 我慢できない時の逃げ方がわかる
目次
タイプ別!部下にストレスを与え続ける「合わない上司たち」
合わない上司と一言で言っても、種類はさまざまです。苦手になる原因は数えきれませんが、大まかに3つのタイプに分類することができます。
それぞれの特徴とともに、相手を理解するところから始めてみましょう。
性格が合わない「価値観対立上司タイプ」の特徴
まずは、どうしても性格や考え方が合わない「価値観対立上司タイプ」です。価値観とはズバリ〝その人が何に対して価値を感じるか〟を指します。
どんな相手であれ、価値観に差があるのは当然です。ただ、ここで問題になるのは、相手に「こうするべき」だと求めてしまう、価値観の押し付けにあります。
例えば、部下がどんなに反省しても相手に正しさを求め理詰めで追い込んでいく上司、仕事外のことにまで正義を振りかざす口うるさい過干渉上司など。
過度な押し付けは大きなストレスになり、酷い時は強いアレルギー反応にまで発展します。
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注意しなければならないのは、「こうするべき」だと相手に価値観を押し付けているのが、上司だけではないという点です。あなた自身も知らず知らずのうちに、相手に価値観を押し付けていないでしょうか?
価値観の違いというのは、夫婦でさえ解決するのが困難です。見放すという意味ではなく、相手に求め過ぎないということが大切です。
いい人だけど生理的に合わない「不愉快上司タイプ」の特徴
次の生理的に合わない「不愉快上司タイプ」は、見た目・臭い・言動など五感や直感にひびく不愉快さが特徴の上司です。
具体的には、体臭がきついスメルハラスメント上司や、自己愛に溢れすぎるナルシスト上司などです。
突き詰めると価値観の違いということもありますが、理屈を超えたもっと感覚的なところで合わないのが特徴です。原因が理解できたとしても、ある意味一番対処が難しい相手ともいえます。
相手の良いところに注目したり、苦手な理由を言語化するのが効果的です。感覚に打ち勝つためには、なるべく理屈でカバーする必要があります。
仕事の進め方が合わない「能力不足上司タイプ」の特徴
最後は仕事のやり方や進め方が合わない「能力不足上司タイプ」です。業務の進め方に問題があり、その結果、部下の仕事に悪影響を及ぼします。
具体的には、部下をマネジメントするべきなのにいつまでも自分の仕事に没頭するプレイヤー上司、逆にまったく仕事ができない無能な上司や仕事丸投げ上司、テレワークの波に乗れない時代遅れな上司などです。
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一番の問題は、この上司がいることで部下であるあなたが「ビジネスマンとして成長しずらくなる」ことにあります。なぜなら、この上司はさまざまな形であなたの仕事を奪っているからです。
自分の仕事に没頭し部下をきちんと育成できなかったり、先頭を切っている上司の仕事レベルが低いせいで、いわゆるご用聞きスタイルから脱せられなかったりと、要は良い仕事の機会を損失してしまっているのです。
上司と付き合うために知ってほしい真実
それぞれのタイプが見えてきたところで、具体的な接し方に入りたいのですが、その前に知っておくべき真実があります。
※先に接し方を確認したい方はこちら。
これらは上司と接する上で欠かせない考え方なので、行動の効果を高めるためにも抑えておきましょう。
人によってはこの概念を理解するだけで、悩みが解決するかもしれません。
相手を変えようとしない
苦手な上司に出会ってしまったら、つい相手に変わって欲しいと考えてしまうかもしれません。これはどのタイプの上司にも言えて、人間関係全てに共通することですが、人は簡単に変わりません。
何十年も積み重ねてきた学びや経験と、形成された性格。それをほんの少しのコミュニケーションで変えることは、非常に困難です。ましてや部下に。
もし相手が変わるとすれば、それは自分が変わったあと。自分の行動が変われば、相手が変わるきっかけを作れます。そこまでやっても、自分にできることは「きっかけ」でしかありません。
どう転んでも「自分が変わったら、運が良ければ相手が変わる。」ということは肝に銘じましょう。
残念ながらこのことに気づかないフリをしている人が、とても多くいます。つい自分が正しいと思ってしまい、相手が変わるべきだと考えてしまう。無理矢理相手を変えようとするから、上手くいかないことがストレスになり、トラブルにつながります。
これらに向き合えるだけで、上司との関係は大きく変わります。
職場の人間関係を良くする考え方については、こちらでも詳しく解説しています。
>>関連記事:職場の人間関係を良くする3つの考え方
上司との距離感は「仕事」を中心に置けば見えてくる
大前提として、職場とは働いた対価として賃金をいただく場所です。つまり職場の人間関係とは、仕事(労働)を中心に形成されるべき関係でなければなりません。そのため、上司と部下の距離感もそれに沿う形が理想です。
理想なのは、プロとして正しく仕事が進行できる状態なのです。
少しイメージしづらいかもしれませんが、理想の関係や距離感は、事例や漫画から学ぶとわかりやすいです。
>>おすすめ記事:2021年「理想の上司」漫画特集はこちら
上司を無理に好きになる必要はない
もしかしたら上司を無理に好きになろうとツライ思いをしていませんか?これも「仕事」を中心に置くことで、必要がない行為だとわかります。敬意を払う必要はあっても、友達になる必要はないのです。
確かにお互いが両想いであれば、コミュニケーションもスムーズに行えるでしょう。もしかしたら毎日が楽しくなるかもしれません。しかし、そうなると今度は、仲が良すぎがゆえの弊害も出てきます。
それは馴れ合いです。馴れ合いによって仕事に妥協が生まれ、なあなあな場面が多くなってしまいます。例えば、
一見「素敵な職場」に感じる瞬間があるかもしれませんが、仕事の質が下がってしまう時点で、それは大問題なのです。
「合わない上司」の具体的な3つの接し方
それでは前置きが長くなりましたが、全タイプの上司に共通する具体的な接し方の解説に入ります。
繰り返しになりますが、相手を好きになる必要はありません。大事なのは敬意を払うことです。
あまり気を張らず、シンプルにお考えください。職場の人間関係は「仕事」が中心にあるべき関係です。「仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション」を念頭に置くことがポイントになります。
【接し方1】笑顔と挨拶を忘れない
まずはできているようでできていない、基本の基本です。
笑顔の重要性
心からの笑顔。
いきなり何?と思われるかもしれませんが、笑顔の力を侮ることなかれ。笑顔は全てのコミュニケーションを円滑にしてくれる、万能な特効薬です。
喋れない赤ん坊が笑顔だけでどれだけの情報を相手に伝え、そして相手の心を開いてくれるか、語らずとも周知の事実かと思います。
デール・カーネギーの名著『人を動かす』でも笑顔の有効性は12ページに渡って語られています。
●人を動かす 文庫版 (D・カーネギー)
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●マンガで読み解く 人を動かす(著:D・カーネギー、著:歩川 友紀)
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笑顔ができている人は実はそう多くありません。この瞬間から始められることなので、意識するよう心がけましょう。
挨拶の重要性
次は挨拶です。
「おはようございます」「ありがとうございました」「ありがとうございます」「お疲れ様です」これが言えない人には、良い仕事はできません。
基本的なことですが、「相手が苦手だから基本ができなくなる」なんて状態は避けなければなりません。
周りは絶対に見ています。苦手を克服するより、そうやって正しいことをして正しい味方を増やすことの方が、仕事にもあなたにも良い影響を与えます。
心から敬意を払い笑顔で挨拶する。それで悪い気分になる人はいません。まずは相手の心の扉を開き、仕事ができる土台を作ります。
【接し方2】仕事のスキを作らない
挨拶同様「相手が嫌いだから仕事をしない」では、結局あなた自身が困ることになります。自分自身のスキルも上がらず、周りからの信頼度も下がり、時間だけを浪費していく…反抗心の代償としては大き過ぎます。
相手が誰であろうと正しいことをする。これは必ず押さえる必要があります。
気持ちはものすごく理解できます。ストレスの原因である相手のために、仕事をしている気分にもなるかもしれません。手柄を横取りする上司もいるかもしれません。
それでも、失う物が大きい以上、仕事のスキを作ってはいけません。
そもそも僕の経験上、そういったダメ上司は、必ずほころびが出て淘汰されます。本当に良い上司なら、少しずつあなたをサポートしてくれるでしょう。
正しいことを続けて、あなた自身のビジネススキルを上げ信頼を積むことで、あなたが働きやすい環境は必ず作られていきます。
【接し方3】個人的な「話せる範囲」を作る
少しテクニック的な話になりますが、プライベートな情報を少し開示できると、コミュニケーションがしやすくなります。
いくら仕事が中心とは言え、笑顔と挨拶以外の人間味がないと、所々でギスギスしてしまう可能性があります。ギスギス自体が悪いわけではありませんが、極端すぎると情報伝達のところで仕事に支障が出かねません。
「自分が何に興味を持っているか」話すということは、心を開いていますよと伝える行為そのものです。人間味はそうやって、相手の心も開きます。
小さいことですが、そうやってお互いを認め合うことで、関係が改善されます。
コツとしては、自分の中で話せる範囲は先に決めてしまうことです。
これも繰り返しになりますが、変化を求めるのであればどんな時もまずは自分が変わるのです。
ここまで、「合わない上司」の具体的な接し方について解説してきました。以上のポイントを押さえれば、最低限仕事ができる関係値は保たれます。
ひどすぎる上司の呪縛から逃れ、自分の人生を切り開こう
読んでいる方の中には、いくら自分が変わっても、上司がケタ違いにひどすぎるという方がいるかもしれません。
例えば「価値観対立上司タイプ」で、恐ろしく性格が悪く、何をするにも否定しかしないとか。
また、特に危険なのは「能力不足上司タイプ」です。そもそも仕事の進め方に問題があるので、コミュニケーションレベルの問題ではなく、能力が不足しているがゆえに、悪気もなくあなたの大事な仕事を奪っている可能性があります。
上司が苦手というのは、当人にとってはツライことは間違いありません。しかし一番危険な上司というのは、あなたがやりたい仕事・やるべき仕事を奪う上司なのです。なぜならそこが職場であり、職場では仕事があなたの価値に直結するからです。
職場の人間関係が最悪なせいであなたが失うものを、以下の記事にまとめています。上司が危険だったときのリスクを理解しておきましょう。
もし仕事が思うようにできないのであれば、早急に接し方以上の対策をとるべきでしょう。
では、具体的にどう対策を取れば良いのでしょうか?それは接し方と本質は同じです。自らの手でより踏み込んで、自分の仕事がしやすい環境にしていくことです。
もちろん会社を辞めるのも一つの手ですが、1からスタートするのではなく、まずは今の職場でやれることをやるのが大切です。なぜなら、全力を出し切った経験は、あなたにとって最も有益な知見に変わり、次の職場にも活かせるからです。
そうやって今の時代に必要な会社に依存しないスキルを身に付けると、人間関係に悩まない力が手に入ります。
自分にそんなことできるわけない!と思われるかもしれません。しかしこれは途方もない話でもなく、特別な能力が必要な話でもありません。やることは正しいことをする、それだけです。具体的な手順については、以下の記事にまとめました。
少なくとも今の上司に頼っている間は、どう転んでも大きな成長は見込めません。危険な上司の呪縛から逃れ、自分の人生は自分で切り拓きましょう。
「上司が合わないから退職しても良い?」に対する答え
中には、こんな無駄な時間過ごしたくないという方もいるかもしれません。よく聞くのは「上司が合わないという理由だけで仕事を辞めちゃダメなの?」という質問です。
これに関しての僕の答えは、上記でお話ししたとおり「やれることをやってから辞めた方がいい」です。
現在の仕事に全力を出し切らずに辞めると、今やっている業務の本質を知らないまま離れることになります。
世の中のどの仕事にも、本気でやってみないと見えない領域があります。そこから得られる知見が、その人の本当の知識であり能力なのです。
今すぐその上司と縁を切るべきな2種類の人
とはいえ、以下に該当する方は、今すぐその上司から離れるべきでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。
1.自分のやりたい仕事・自分の考え方とかけ離れている人
例えばあなたに目標や夢、理念があって、いくら努力しても今の場所では交わらないのであれば、今すぐその場を離れるべきでしょう。これは上司部下の問題以前の話なので、迷う必要はありません。
取るべき選択肢としては、
- 異動願いを出す
- 転職をする
- 独立する・フリーランスになる
の3つになります。
今の会社で別の部署に行けば希望が叶うのか、そもそも今の会社では厳しいのか、自分の状況に応じて適切な選択をしましょう。
2.もう精神的に限界な人
いかに今の仕事が楽しかろうと、夢に見た仕事であろうと、精神的に限界が来ている場合は、すぐに離れるべきです。
生活ができる範囲の貯蓄があるのであれば、なるべく早めの退職を考えましょう。貯蓄がない場合でも、失業手当がもらえる可能性もあります。
「辞める」すら言えないほど追い詰められているなら、今は退職支援のサービスもあります。『退職代行』で検索してみてください。
仕事というのは、まずは自分自身の身体があってこそです。まずは何よりも健康でいることを意識してください。
- 今すぐ職場から逃げよう
まとめ
- 性格が合わないのが「価値観対立上司タイプ」
- 生理的に合わないのが「不愉快上司タイプ」
- 仕事のやり方が合わないのが「能力不足上司タイプ」
- 相手を変えようとしない、自分から変わること
- 職場では、仕事を中心に人間関係が構築されるべき
- 上司を無理に好きになる必要はない
- 笑顔や挨拶、仕事に向かう姿勢など、正しいことをする
- 仕事を奪う上司に注意せよ
- 今の職場でやれることをやる、辞めるのはその後でも遅くない
- 「そもそも自分と交わらない」「精神的に限界」なら即辞めるべき