私の名前はW、40歳の地方公務員です。10年前にキャリア採用で今の仕事に転職するまでは、ファミリーレストランチェーンで働いていました。これはその会社にいた頃のお話です。
Wさん(40歳・男性)の体験談
J店長という人
私は大学卒業後、その会社に入社しました。最初のお店の店長はJさんといい、とても可愛がってもらいました。仕事は厳しかったのですが、それ以外では、常に気をかけてくださり、相談にも乗ってくれるような方です。他の社員にも「良い店長だから良かったな」とか「勉強できるところが多いから、一杯学べよ」などと言ってもらえるほど、周りからも信頼された店長でした。
その後、私が副長に昇進して、お店が別になったのですが、転勤の際も送別会を自らセッティングしてくれて、最後の締めの言葉で号泣してくれるほど熱い人でした。私も、人生初めてのもらい泣きをしてしまい、J店長と抱き合って号泣しました。転勤後もちょくちょく連絡をくれて、私を気に掛けてくれており、私も心の底から尊敬していました。
近くの店舗で異例の事態が発生
私が28歳の時に、近隣店舗で金銭トラブルがあり、そこの店長が解雇になりました。異例のトラブルで、そのお店は店長不在という状態。即座に副長クラスを転勤させ、店長に昇進させなければなりませんでした。
そこで選ばれたのが私でした。ヘルプで何度かそのお店に行ったこともありましたし、社内の店長試験には合格しており、あとは公的な資格を1つ取得すれば、資格的には店長になれる条件をクリアしていました。しかし社内には反対意見も多かったそうです。とにかくキャリアが足りないことが、問題でした。
そこで私をゴリ押しして、店長にしたのが、エリアマネージャーAでした。「常に私がフォローアップしていくので、安心してください」と会社の反対意見を静めていったそうです。
身体が大きいAさんは部下から「邪悪なドラ○もん」と影で呼ばれるほど、嫌われていました。仕事はできますが、部下を消耗品にしか思っていませんでした。「お前の手柄は俺の物、オレの手柄オレの物」を地で行く方なので、ドラ○もんなんだか、ジャ○アンなんだか分からないくらい邪悪でした。
店長昇進後も、Aマネージャーからネチネチやられました。新入社員時代からのマネージャーで、私も逆らいにくい相手。売上が下がれば、「身銭を切って売上を伸ばせ」逆に上がれば、「まだやれる。もっと絞り出せ」など、今思えばよく耐えたなと思います。
しばらくして店の近くに競合他社のお店が出店し、売上はガタ落ちとなりました。 前年比90%で推移し、毎日のようにマネージャーから怒鳴られていました。
本当に自分のことを想ってくれた人
そんな中、行われたエリア店長会議で、私は全店長の前でネチネチとマネージャーから叱責されました。その中で、「女にのぼせてるから売上が上がらないんだよ、そんな暇があったら、働け」と言われました。その頃、ちょうど彼女ができたのです。苦しい時期だったので心の支えになってくれていました。
もう我慢できないと、マネージャーにブチ切れようとした時、怒声が上がりました。
「それは、関係ないだろ!そもそもマネージャーは何をやってたんだ!何もしないで遠くから文句言ってただけだろ!」
J店長でした。私のお店の状況を心配してくれていたのですが、迷惑をかけられないと思い、ずっと「大丈夫です」とだけ伝えていました。そんなJ店長が立ち上がってくれたのです。他の店長も口々に私を庇い、マネージャーを罵ってくれました。マネージャーは怒って、帰ってしまいましたが、私は泣いてしまうほど、嬉しかったです。
その後、家庭の事情で、退社しないといけなくなった時も、新幹線乗り場まで見送りに来てくれました。色々辛いことも多かったのですが、J店長に出会えて、本当に良かったと思います。最近、連絡を取ることが少なくなってしまいましたが、たまに連絡をくれます。会社の先輩から人生の先輩として、これからも尊敬していこうと思える先輩です。
管理人と仲間達から一言
そして今度は、自分がそう呼ばれるよう目指してほしいね。